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  一般財団法人日本科学振興財団 取組みと展望  
 
 

日本科学振興財団は、「科学及び技術の研究を助成振興し、科学思想の普及を図り、 これをもってわ が国の学術・文化の発展に寄与することを目的」として2010年に 設立されました。

本財団は、以下の三点を事業の柱として参ります。
(1)科学及び技術の研究の助成
(2)科学基礎教育の助成
(3)科学思想の普及高揚

日本の近代化と発展の原動力となり、1980年代までの日本を世界の経済大国に まで押上げたものは、 まさに科学の力でした。日本が国策として、世界に比して基礎 的な科学技術を重点的に培った結果に 他なりません。
ところが、90年代後半以降の経済不振、不況の根底的原因とも指摘されるように、 現在の日本の致命的な欠点は、1)基礎研究の水準が欧米主要先進国に比べて、依然 低いこと、2)独創性のある企業家精神に富んだ人材に乏しいことにあると科学技術 白書でも報告しています。

いつの時代にも社会の最大のソフトは人材であり、資源小国にとっては最大の資源で あるといえます。
とりわけ時代を担う青少年層の人材養成は極めて重要な課題であり、 最近の文部省の教育白書でも 「創造性の開発育成」「科学技術人材育成」「科学技術に 関する、青少年の理解の増進と関心の喚起」が謳われ、これらの背景として「マルチ メディアを活用した学習環境の整備」を推進し、ひろく青少年から一般社会人にまで 科学への関心が喚起され、基本的な科学思想が普及し、高揚していくことが、すなわ ち21世紀のわが国の活力ある社会基盤を醸成することになります。

わが国がかつてない産業のダイナミズムを生み出し、新たな経済フロンティアを開拓 し、かつ真の大国として世界貢献をしていくため、基幹産業に成り得る科学技術の振興が最大の課題といえます。

そのため日本科学振興財団では、時代の扉を開く可能性に溢れた科学技術の発掘、及び産・官・学・民の連携をはかり、新しいビジネスの創出と発展に力を注ぎ、研究・開発者と産業界との連携促進をすすめるとともに、起業への契機となる諸事業を下記施策にて推進して参ります。

(A)未来技術研究開発・ニュース(対会員企業限定メール)の発行、送信。(未来技術研究開発・サイト運営)
(B)財団所属研究員の知見に基づく技術実演フォーラム。(研究知見の事業化のための各企業)
(C)財団所属研究員の知見に基づく教育・セミナーの開催。(段階別認定ライセンスの発行。)
(D)各教育、研究機関との研究開発連携(研究成果の共有)

 


御挨拶

私どもが毎月発行いたしております、「企業と知的財産」のご愛読者でいらっしゃる皆様、各種企業や官公庁、大学や研究室の皆様方に於かれましては良くご存知いただいております通り、私ども日本科学振興財団は、2010年に生まれ変わり、日本科学振興元年と位置づけ再出発をいたしました。
当財団の設立は、リーマンショック後、ようやく人々が生活の安定を取戻してきた、そのような時期です。政治では、民主党が、自民党を打ち破り、新政権を樹立、国民の期待が高まった年でもあります。
日本の現在、将来を考えたとき、資源少国であるわが国を「科学技術立国」へと発展させ、育成することが最大の経済活性化である、との認識に基き、先端技術の研究者が中心となり、元通産省工業技術院所長、元財団法人日本産業技術振興会-専務理事、現顧問、鈴木三男-工学博士を始め、医学博士、薬学博士、物理工学博士、臨床心理学博士などの方々を評議員に迎えて設立されたのです。
瑞宝中綬章を受勲され、解剖学の権威でもある渡仲三-名古屋市立大学医学部名誉教授、医学博士、超高分子量のバイオマテリアル:ポリ−γ−グルタミン酸の開発をなさっておられる竹田弘-福岡女子大学名誉教授、工学博士、前放医研主任研究員を務められ、新規繊維複合体の人体に及ぼす効果の研究をされておられる水谷弘子薬学博士、水和電子発生の複合機設計を開発された、佐々木寛治-昭和女子大学名誉教授、工学博士。山崎隆-京都教育大学、京都繊維工芸大学名誉教授、工学博士、マサチュ−セッツIT原子工学にて物理工学、臨床心理学の学位を取得された栗原快州博士、学校法人鈴鹿医療科学大学学長、社会福祉法人 聖テレジア会副理事長、元厚生労働省官僚の澤宏紀医学博士。この方々が、日本の基幹産業に成りえる、技術を世に出すために相応しい理事を選任し、真の科学振興のため自らも日本科学振興財団の研究員として活動して頂ける運びとなりました。
また、当日本科学振興財団には『脳幹とその周辺機能をもつ人工知能』の研究開発により、日本に基幹産業をもたらしたいと日夜勤しむ研究員もおります。豊富な経験をお持ちな上記の先生方の御協力を得、必ずや日本の未来を切り開いてくれるものと期待しております。ここではご紹介いたしませんが、官僚の要職を務めて来られた、多くの先生方が顧問として当財団を支えていただいております。
どうぞ、当財団の果たすべき社会的役割と、目指す方向性にもご理解をいただき今後ともご協力とご支援を賜りますようお願い申しあげます。
                                                                   2010年9月3日

                                                          一般財団法人日本科学振興財団
                                                                理事長 古宮 道世

 
 
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